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「燃料」で地球の未来をまもる

「鉃」から未来の創造
グリーン社会に喜びを

持続可能な社会を目指し、
胸を張って次世代にバトンを渡すためにできることは何なのか。
鉄を扱うアイシン高丘は、脱炭素イノベーションの実現こそ、
今、私たちが取り組むべき使命だと考えます。
これ以上、地球温暖化を進めないために。
そして、真の意味での豊かな未来のために。
植物由来の生物資源(バイオマス)を活用する革新技術で
バイオ成型炭「Bio-M-Coke®」を生み出し、
鋳造業界をリードしていきます。

why this path

なぜ鋳造メーカーが
燃料をつくるのか

2050年度のカーボンニュートラル達成を宣言しているアイシングループの一員として、鋳物の製造時に大量に排出するCO2の削減は喫緊の課題です。また、鋳物用石炭コークスは中国をはじめとする海外に頼っていること、世界的な流れとして化石燃料の採掘は減少傾向にあることから、調達リスクも少なくありません。この2点の解決策として着手したのが、バイオ成型炭「Bio-M-Coke®」の開発です。

鋳造メーカーが抱える社会・環境リスク

溶解炉燃焼時に
多量のCO2を排出

約1500℃の高温で鉄源を溶かす際、多くのCO2が排出されます。アイシン高丘の2023年度のCO2排出量は約24万トン。うち溶解工程からの排出が約60%を占めています。

原料の採掘・生成時にも
温室効果ガスを排出

石炭コークスは、原料をコークス化する際に多くのCO2が排出されるだけでなく、原料採掘時にも石炭層内の温室効果ガス(メタン)が大気中に排出されるという問題があります。

化石燃料の
枯渇リスク

石炭は、長い年月を経て作られる化石燃料のひとつです。今後、経済発展を目指す新興国を含めて化石燃料の需要は増していくと予測され、その枯渇も問題点となっています。

鋳造メーカーの使命として、
環境にやさしい
燃料の開発に着手しました

鋳造業界のトップランナーが作る
環境にやさしいバイオ成型炭

Bio-M-Coke

「Bio-M-Coke®」は、アイシン高丘グループのノウハウと独自技術を用いて製造する、植物由来のバイオ燃料です。その大きな特徴は、従来の鋳鉄溶解炉(キュポラ)をそのまま使用できること。また、原料の植物が成長する過程でCO2を吸収するため、燃料の燃焼時に排出されるCO2が相殺され、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。

「Bio-M-Coke®」とは

「Bio-M-Coke®」は、アブラヤシからパーム油を生成する過程で排出されるヤシ殻(Palm Kernel Shell)を原料としたバイオ成型炭です。ヤシ殻は油分が多く、熱量が高いという特徴を持っており、アイシン高丘はそこに着目して独自の製造技術を確立。試作を経て、均一品質、高強度、高熱量のバイオ成型炭の開発に成功しました。

Outstanding Points

「Bio-M-Coke®」が注目される
3つのポイント

  • 01 カーボンニュートラルに貢献

    「Bio-M-Coke®」は燃焼時にCO2を排出しますが、原料となるアブラヤシが成長する過程でCO2を吸収するため、結果的に大気中へのCO2排出量はゼロとみなすことができます。燃焼時だけでなく、原料の採掘・生成時に多くのCO2を排出する石炭コークスと比較し、「Bio-M-Coke®」を使用することで、カーボンニュートラルへの貢献が可能です。

  • 02 廃棄物の低減にも寄与

    アブラヤシの実からパーム原油(食用油として活用)、パーム核油(石鹸・化粧品に活用)を取り出した後に残るヤシ殻は、多くが食品廃棄物として処理され、メタンガスの発生や土壌汚染の要因にもなっています。ヤシ殻を活用することで、廃棄物低減などの環境保全にも役立ちます。

  • 03 既存の鋳造溶解炉で使用可能・同品質を実証

    従来のバイオ燃料は石炭コークスとの併用が必須でしたが、アイシン高丘が開発した「Bio-M-Coke®」は世界で初めて100%置換に成功。燃料を代えるだけで、多くの鋳造メーカーが導入している鋳鉄溶解炉(キュポラ)をそのまま使用することができます。設備への投資が要らず、鋳物産業全体のカーボンニュートラルへの貢献が期待できます。

鋳鉄溶解炉(キュポラ)とは

燃料の燃焼熱を利用して鉄を溶かす装置のこと。上部の投入口より鉄源(材料)と燃料(コークス)を交互に投入し、熱風を羽口から吹き込んでコークスを燃焼させることで鉄源が加熱・溶解されます。キュポラは溶解効率が良いことから、現在多くの鋳造工場で採用されていますが、高温で鉄を溶かすため、多くのエネルギーを消費し、大量のCO2が排出されることが課題になっています。

鋳造溶解炉(キュポラ)説明画像

in the future

「Bio-M-Coke®」の今後

2030年度までに自社で使用するすべての燃料を「Bio-M-Coke®」に置き換えるとともに、
鋳造他社への販売も進め、鋳造業界全体の脱炭素化への貢献に向けて取り組んでいます。

地球と鋳造の未来に貢献

topics

  • 01「Bio-M-Coke®」製造を担う新会社
    PT ATP BIO INDONESIAの設立

    「Bio-M-Coke®」の量産に向けて、アブラヤシの生産量世界一であるインドネシアでアブラヤシプランテーションの運営及びパーム油加工業に従事するトリプトラ・アグロ・ペルサダとの合弁会社である、PT ATP BIO INDONESIAを設立しました。2025年秋には本格的に生産を開始する予定で、自社工場での使用や国内他社への販売、さらには海外への販売も計画しています。

    外観写真
    設立記念写真

    ATPの概要はこちら

  • 02「Bio-M-Coke®」を他社にて
    実証実験スタート

    実験している様子

    自社の生産ラインでは2024年1月から実証実験を実施し、石炭コークスを「Bio-M-Coke®」に100%置換できることを確認しました。また2024年2月からは、計10社の他社の生産ラインにおいても「Bio-M-Coke®」を使用する実証実験を開始。2025年度中にはさらなる社外実証実験を計画しており、これらの結果をふまえ、2025年秋ごろより販売を開始する予定です。

    実証実験の概要はこちら

アイシン高丘グループは
「Bio-M-Coke®」で
地球全体の
カーボンニュートラルに
貢献していきます

「Bio-M-Coke®」に関するお問い合わせ